理工学部は、広く自然界の摂理や真理を探求しようとする理学(science)と、それを基礎としながら世の中に価値ある「もの」やうまい「しくみ」を提供しようとする工学(engineering)の理念に基づいたさまざまな研究と教育を、5つの学科体制で行っています。また、それらの分野を横断した複合的な研究ができる環境も整えられており、広い視野と知識、最先端の技術を身に付けた、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。
工作機械や作業スペースが完備された「ワークショップ」で、図面を基に研究装置を自ら製作することができます。
学生自ら問題点を発見し、解決法を探ることで問題解決能力を鍛える「PBL(Projectbesedlearning)」を必修としています。
学科により3~5割の学生が、大学院に進学。毎年多くの論文誌掲載、国際会議での発表や受賞などの成果につながっています。
機械工学とは、熱力学・機械力学・流体力学・材料力学を基礎とした機械を設計・製作するための学問です。あらゆる製造分野を支え発展させる「ものづくり」の基礎がここにあり、日本が世界に誇る製造技術も、機械工学によって支えられていると言えます。本専修では上記の分野に加えて、航空宇宙分野の研究も充実。さらに情報工学や電気・電子工学、経営マネジメント領域までをもカバーして技術開発の可能性をさらに広げることに挑み続けています。
教室での講義だけでなく、実際に機材に触れたり、自分の目で見て、物の動きや変化を体感することで、エンジニアとしてのイメージ能力や応用力が養われます。そのため、本専修では実験科目を重視。実験での体験が、机上での学びへの興味と理解も深めて相乗効果を生みます。
本学の大学院理工学研究科とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が連携大学院協定を締結しており、学部生もプロジェクトへの参加などを通じて、高度な研究に触れる機会が用意されています。
専門領域を超えた、横断的なカリキュラムを編成しています。推奨する履修モデルとして、6つのコースを設定。自身の興味・関心や目標に合わせて、他コースの科目も自由に選択できます。
本専修では、航空機の操縦と、そのために必要な機械工学を学びます。目指しているのは、機械工学に強いパイロットとエンジニアの育成です。4年間の学びにより、プロパイロットの免許を取得してエアラインを目指す道や機械工学の高度な知識を生かして航空業界や製造業を目指す道が開かれています。特にパイロットは、現在世界的に不足している傾向にあり、高度な技術と専門知識を有するパイロット育成は、航空業界にとって重要な課題です。多様なフィールドで活躍できる「航空のプロフェッショナル」を育成します。
航空のメカニズムを座学で学ぶだけでなく、シミュレータを使った訓練や、実績あるフライトスクールとの連携による操縦訓練などを行います。専門的・学術的なカリキュラムで学ぶと共に、材料力学や機械力学、熱力学、流体力学といった機械工学の基礎知識も身に付け、「空を飛べるエンジニア」を目指します。
操縦実習科目は、国土交通大臣より指定航空従事者養成施設として認定を受けている「法政大学飛行訓練センター」(桶川および大分)で行います。
実際の飛行機操縦を体験する「フレッシュマンズフライト」を、1年次に配置。入学後の早い時期から操縦を体験することで、その後の座学がさらに充実します。
自衛隊や民間航空会社などでのキャリアを持つ教授陣が指導し、豊富な経験に裏打ちされた生きた知識を伝えます。
所定カリキュラムを修了することで、理工学の学士学位が得られます。パイロットにとどまらず、技術者として活躍することもでき、一般企業への就職など幅広い選択肢が広がっています。
電気や電子の仕組みを理解したり、電気や電子を利用して産業に応用する技術を研究するのが電気電子工学です。その領域は私たちに身近な家電製品から、エネルギー供給にまで及びます。デジタル家電、無線・光通信などは今なお日本が世界をリードする分野であり航空機や自動車、ロボットの分野でも、組込システムなどの先端技術が生かされています。本学科では「共創」という学科理念の下、これらの幅広い領域で貢献できる広い視野、創造性、ビジネスセンスをもった技術者・研究者を育成しています。
広い視野に立って最先端の技術を学べるよう、電気・電子だけでなく、機械・情報・マネジメント系まで含めたカリキュラムを構成しています。また3年次からゼミに所属することができるため、指導教員との関係を早くから構築でき、質の高い研究の実現につながっています。
所属ゼミでの研究活動の一環として、早くから電気学会、電子情報通信学会、計測自動制御学会、応用物理学会などの学会活動に参加する学生が多く出ています。また、大学院生に交じって登壇し、発表を行う学部生もいます。
専門領域を超えた、横断的なカリキュラムを編成しています。推奨する履修モデルとして、5つのコースを設定。自身の興味・関心や目標に合わせて、他コースの科目も自由に選択できます。
応用情報工学は、情報通信技術(ICT)を理解し、新たな利用法の研究・開発をする学問です。ICTは現在、ビジネスのみならず私たちの生活すべてにかかる基盤技術となり、技術革新も持続的に発生しています。多様化を続ける現代の情報化社会においては、さまざまな問題に的確に対処でき、新しい価値を創造できる優秀な情報通信技術者の存在は欠かすことができません。本学科では、こうしたニーズに的確に応えるエンジニアやプレイヤーの育成を目指しています。
2、3年次で行われる専門的な実験では、全24テーマそれぞれ提出されたレポートに対して、教員と1対1の試問を実施しています。濃密な時間の中で本質的な理解を深めると共に、技術文のまとめ方、論理的な考え方をしっかり身に付けます。これは卒業論文執筆や、対外的な成果発表の他にもさまざまな場面で役に立ちます。
入学後すぐに所属する少人数「プレゼミ」、学科から選抜された先輩たちが下級生の相談を待っている「ラーニング・サポーター相談室」(週3、4回)など、学問はもとより、生活、進路面での相談も受けるなど、スムーズな大学生活のスタートをサポートしています。
本学科では将来のキャリア形成を意識した6つのコース(履修モデル)を設定しています。
経営システム工学とは、現代社会の複雑なシステムを数理的に理解することで企業が直面するさまざまな問題の解決を図る学問です。例えばトヨタ自動車の「かんばん方式」や、コカ・コーラボトラーズの配送計画などが、代表的な成功例として挙げられます。本学科では企業組織の中の問題を数理モデルで表現し、多様な解析手法を使って問題に対する提言を行う力を養成。さまざまな企業が今後必要としている経営を数理的に理解し、経営イノベーションに取り組める人材を育成します。
企業は常に新しい事業を求め、発展していかなければなりません。そのためには、新事業のアイデアとそれを実現させる緻密な計画を必要としています。そして、計画の評価は、モデル化と数理的計算によって可能となります。本学科では、3年次春学期までに経営システムの基本的方法論を系統的に修得でき、その基礎力を基にゼミナールや卒業研究で応用力を身に付けるカリキュラム構成となっています。
学術界・実業界などで活躍する方をリレー形式で講師として招き、少人数(最大25人)で授業を行う「経営システム特別講義」を開講しています。またキャッシュフローの分析など、企業の仕組みを財務面から理解するための科目も設置し、経営イノベーションに必要な能力を培います。
数理モデルの作成には、オペレーションズリサーチ(OR)と呼ばれるマネジメント・サイエンスの基本的方法論が必要です。本学科では、その基礎となる確率・統計学と、効率を最大化するための数理計画法、応用に必要な解析学や代数学を学びます。さらに経済分析、金融工学、生産管理の3分野で、専門知識を修得するカリキュラムを構築しています。
現代では、これまでの理系・文系という枠組みでは扱えない課題が増加しています。地球温暖化、資源エネルギーの枯渇、少子高齢化などはもちろん、世界的に重要なプロジェクトでも、理系の技術に加え、総合的なマネジメントができる人材が求められています。本学科では、理系・文系を問わず、あらゆる分野に自分の力で切り込み、さまざまな問題を解決できる統合力と判断力を身に付けた「理系ジェネラリスト」を、幅広い学びを通じて育成する学科です。
科学の礎である物理学と数理学を根源的な部分から学びます。例えば、高校では物理の法則を習うのに対して、本学科ではその法則が誕生した背景や現実問題との関係を探究。そこで修得した「科学のみちすじ」と呼ぶ、科学的な考えと問題解決法を、「物質」「自然」「人間」「知能」といった4つのフィールドで応用し、さまざまな問題に対峙していきます。
修得した理論を実践に展開する分野として、4つのフィールドを設定。理系ジェネラリストとして活躍するため、各自のフィールドを深く掘り下げながらも、全分野の科目を広く学びます。
宇宙開発やエネルギー、環境分野への日本の進出は思うように進んでいません。この一因には、財界・企業リーダーに対する技術情報の周知不足や、企業のトップに理系出身者が少なく、科学的判断ができる人材の不足があると考えられます。本学科では、世の中が求める、こうした状況を打開できる人材を育てます。