情報通信技術の進歩によって、身の回りのさまざまなモノとインターネットがつながり、モノの情報(価値)やその生産への需要を把握しやすい時代になりつつあります。本研究室では、モノやインターネットなどから生まれるそれらのデータの意味を、統計学の観点から解釈する研究を行っています。データの背後にある構造を数理的にモデリングし、データを読み解くことで、その価値を見出すことの出来る人材の育成を目指します。
現在の社会を取り巻く環境において、多くの異常とも言える現象を観測しています。地球温暖化・大型地震・感染症のパンデミックなどの自然現象や、計算機器の高速化・IoT などの情報通信技術の発達・人工知能と思しきアルゴリズムの開発などの近代技術は、ここ数年で大きく変化しています。これらの変化を出来る限り理解し、解釈した上で将来の姿を想定することが重要です。本研究室では、統計学の目指すところは予測であるという信念のもと、さまざまなデータから、その将来の状態を予測することをテーマとして扱います。科学と工学と社会を、統計学と情報技術のもとでリンクさせることを試みます。
本研究室で行う加速破壊試験の統計モデリングの研究については、身の回りに存在する電気機器の寿命を予測することに役立っています。また、本研究室で行っている能力評価の推定とその予測に基づく出題方式の最適化に関する研究で扱う理論は、多くの人が利用している英語語学力試験であるTOEIC などで利用されており、今後この研究をさらに進めることで、資格試験の場面だけではなく、もっと身近な日頃の学習支援の場面で活用されることも考えられます。