数理システム分野 応用可積分系研究室

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教授 礒島 伸

教授 礒島 伸

Shin ISOJIMA

研究室の学び

ある現象を表す関数を知ることは理工学の重要な問題であり、そのために関数が満たす方程式、「微分方程式」を導いて解くという数理的な手法が用いられます。例えば物体を投げるとその位置は2 次関数で表され、放物線を描いて飛ぶことが知られています。近年ではコンピュータの発達に伴って「差分方程式」も重要になっています。

本研究室では解ける微分・差分方程式、「可積分系」の基礎を学び、その考え方を拡張して応用につなげることを目指します。

社会との接点

物理法則を表す微分方程式を解き、得られる関数を調べることで未来を予測することができます。天気予報ができたり、工業製品が正しく安全に動くのも、微分方程式のおかげです。この考え方は感染症が広がる様子や経済などの生命現象、社会現象にも応用されています。

複雑な現象になると微分方程式を解くことが難しくなり、計算機によって数値解を求めるという手法が使われます。デジタル計算機は全てのデータを0か1の飛び飛びの数字(デジタル)に変換して計算しているため、皆さんが学んでいる微分積分学もデジタルな世界、「離散系」に対応できるようにしなければなりません。計算機の急速な発達に伴って新しい数学が求められているのです。

本研究室は解ける方程式である可積分系を手掛かりに、離散系を用いて現象を調べる数学の基礎を組み立てることを目指しています。こうした考え方は、コンピュータグラフィクスや交通渋滞の研究にも応用されはじめています。

主な研究テーマ

  • 鳥インフルエンザの流行を表す差分方程式の構成と解析
  • 非線形バネのセルオートマトンモデルの構成と解析
  • 非線形波動の数値データを用いたセルオートマトン規則の構成
  • 交通流の離散モデルの解析