脳は現在のコンピュータにはない高度で柔軟な情報処理を行っています。本研究室では、脳の情報処理の仕組みを工学的および心理学的なアプローチにより解明し、それに学んだ情報処理技術を開発することを目的とし、研究に取り組んでいます。
歩行者や自動車が目の前を通過していくことは日常茶飯事です。その時、私たちの脳は、目から入った情報をどんな仕組みで処理し、人や車の運動方向やスピード、位置を捉えたのでしょうか?目の前を通過した対象物が人や車であると脳はどうやって判断したのでしょうか?全く見たことのない人であっても、最新デザインのスーパーカーであっても、脳はいとも簡単に処理してしまいます。
このような、私たちの脳が普段当たり前のようにして行っている情報処理は、今のロボットの脳であるコンピュータにとってはたいへん難しい難題です。脳と同じようなレベルの情報処理が可能になれば、ロボットが車を運転する時代が来るかもしれません。脳の情報処理の仕組みを解明し、それを工学的に実現することは、未知の状況に対しても柔軟に判断して行動する自律型ロボットなどに結びつくものと考えています。