近年社会が複雑化する中で、機械自身が学習・進化することが求められています。我々の研究室では生物の進化のメカニズムからヒントを得た“ 進化計算” を中心とした知的計算の応用研究を行っています。知的計算技術に基づいた学習モデル、並列高速化技術および最適化手法など新たな技術を開発し、ゲーム戦略の実時間学習、数独解法の並列高速化、対話型進化とクラウドを用いた大域的特徴の抽出、多峰性問題や多目的最適化問題などへの応用研究を行っています。
「最近の学生は小手先の技術志向に偏っているようですが、企業が求めるのは自ら問題を発掘して自律的に考えることができる人。研究に対して熱心に取り組んでさえいれば、手段としての技術は必然的に磨かれます。学生には社会に巣立つ前の試行錯誤できる時期だからこそ、研究を通して多くのことを学んでほしい」というのが当研究室運営の基本的な考え方です。従って、実社会への応用を考えた卒業研究テーマのひな型を準備した上で、学生自身がお互いに議論しながら関連技術の調査や研究を進めることで一人一人の自主性・主体性を育てるようにしています。また、卒業研究を通してプログラミング能力、論理的に筋の通った文章を書く能力、コミュニケーション能力を育てることで、社会に出てから困らない生命力を鍛えるようにしています。