私の研究室では、製品の持つ造形と機能、言語の関係を研究テーマとして取り上げています。私たちの身の回りにはさまざまな使用目的を持った工業製品があります。その形はどこから来ているのでしょうか。形を導く人間の動きを研究する人間工学や私たちが使っている言葉の意味と造形の関係を研究する感性工学の研究、実験、分析を行い、製品造形の背景を深く理解する人材を育成し社会に輩出しています。
私たちの研究室で行っているテーマ「製品の持つ造形と機能、言語の関係」の研究は、私たちの生活に不可欠なさまざまな工業製品の総合的な質の向上に大変役立っています。工業先進国である日本では、生活のあらゆる場面で工業製品が生活自体を支えています。しかし、同時に工業製品に私たちは既成概念を持ってしまっている場合が多く見受けられます。例えば、今多くの人が使うスマートフォンの形は今のままで本当にいいのでしょうか。製品に使われてしまっていることも多く存在することに気づく必要があります。確かに便利ですが、本当に使い易いのでしょうか。
また、今ではほとんどの人が、椅子で生活をしています。椅子の形は本当に今のままでいいのでしょうか。そもそも椅子って何ナノでしょうか。視点を変え、さまざまな工業製品を見渡すと、実は、多くの矛盾や不都合が存在していることに気づくことでしょう。カッコイイけど使いにくい、性能はいいけど使いにくいとか、重たい、危ない等、私たちは日常生活の中でよく耳にします。これでは、製品としてすべて未完成といえます。このような、さまざまな製品の矛盾の根幹を見定め少しでも改善し生活の質の向上に寄与しています。