プログラミング言語は、「情報」を人間が意図した通りに処理するための道具です。現代の我々の生活は、意識するしないに関わらず、コンピュータやネットワークによってもたらされる「情報」に大きく依存していますが、プログラミング言語がなければ正しい情報処理が行えません。さて、そのようなプログラミング言語は、誰もが使えるものではありません。確かに、我々はコンピュータを使ってブラウザで情報を得たり、メールを書いたり、といった基本的なことが出来れば十分かもしれません。しかし、「ある情報をもとにして、価値のある情報を新たに生み出す」ことが本来コンピュータのもつ能力です。我々は、そのような能力を様々な人が引き出せるような道具として「ドメイン特化言語」を研究しています。これは、人々が用途に応じて気軽に使えるプログラミング言語です。例えば、経営者が予測や経営の方針を検討するための、経営者向けドメイン特化言語、教育者が子ども達のためのコンピュータ教材をつくるための教育者向け言語、など様々な言語が考えられます。多くの人々が言語を通して、コンピュータを活かせるようになること、さらにものごとについて深く考えるようになること、そのような未来像を我々は描いています。