研究室の学び
2011年の東北地方太平洋沖地震では津波により甚大な被害を受けましたが、日本では南海トラフの巨大地震や首都直下型地震が切迫しています。当研究室では、地震による人的、社会的被害をできるだけ減らすことを目的に研究を進めています。具体的には、将来発生する地震の揺れ、その際の災害(特に土砂災害や道路、鉄道、水道などのライフラインの被害)を予測し、地震対策を考えています。
社会との接点
2011年の東北地方太平洋沖地震では、約2万人の死者、行方不明者を出しましたが、南海トラフの巨大地震では最悪の場合、死者30万人以上、経済的損失200兆以上、首都直下地震では死者2万3千人、経済的損失は95兆円という予測がなされています。また、これらの地震はいずれも今後30年以内の発生確率が70%以上と非常に高い確率で発生すると見積もられています。そのため、東北地方太平洋沖地
震のような悲劇を繰り返さないよう、できる限り被害を小さくする努力が国や地方自治体によってなされつつあります。
しかし、国や県など自治体の予算が縮減されるなか、いつ、どれくらいの規模の地震がくるのか分からない、不確定な要素を多く含む地震に対して、多大な費用をかけて対策を取れるものでもありません。そのため、効率的な地震対策が求められています。
上記の観点から、当研究室では、例えば地震被害が早期に復旧でき、社会的に大きな影響を及ぼさないものに対しては地震対策を行わない、ということも選択肢のひとつとして、経済的でかつ自然環境に配慮した地震対策方法の構築を目指して研究を進めています。また、卒業生は、研究室で学んだ専門知識、技術を持って、役所や建設会社などの建設関係の仕事で力を発揮してくれています。