建築構造の目的は、耐震性、耐久性が高く安全な建築物を実現することです。
研究室では自然科学と建築工学を学び、大地震、台風など自然災害に対して建物の安全性を確保するための研究を行います。
構造解析に加えて、耐震部材の構造実験を行い試験体の破壊性状を観察することで、建物がどのように破壊するか理解します。その結果から耐震設計法を考案します。
近年、公共建築物を木造で建設することを促進するための法律が制定されました。森林資源の豊富な日本において、木材を構造材として有効活用することが社会から求められています。
研究室では主に木質構造の耐震性能と構法開発の研究を行います。木材は生物材料であるため、コンクリートや鉄のように均一な性質に調整することが困難です。木材の樹種、生育する地域、繊維方向、乾燥状態などで性質が変わり、割裂を生じる特徴もあります。そのため実験で材料特性を把握することが重要です。実験結果から、材料特性を活かして耐震性を向上することを研究目的とします。
研究テーマは、建物を設計または施工する上で生じる課題の解決や、地場の製材や新しい木質材料を有効活用するために必要な材料特性の把握など、実社会で役立つ内容から設定します。研究成果を建築物の設計で提案し、建築物のデザインにおいて実証します。
建築構造は耐震性能だけでなく環境性能の向上にも取り組まなくてはなりません。木質構造の更なる可能性を追求する構法開発の研究は、地域の生態系と人間との共生にもつながると考えています。