研究室の学び
人が心地よく、美しく感じる街や建築にはその理由があり、細やかなデザインの中にその秘密は隠されています。建築計画学研究室では、都市や建築のフィールドワークや利用者の観察を通して、空間やそこでの振る舞いに隠された秩序や規則を読み解き、それをデザインに活かす手法を学びます。また、利用者自身が手を加えることを誘発し、より良好な環境をつくりだすことができるような仕組みをデザインに組み込む方法を研究しています。
社会との接点
東日本大震災では沢山の家屋が被害を受け、5万3千戸の応急仮設住宅が建設されました。仮設住宅はいつどこで起こるか分からない災害に備えて準備されており、災害後に迅速に建設することが優先されるため、被災地の風土や生活スタイルに対応したものではなく、収納不足、結露、寒さ、暑さなど様々な問題点が指摘されました。研究室では、東日本大震災以前から、仮設住宅の居住者がご自身で住まいを改造・改善される「住みこなし」行為を研究しており、そのノウハウをまとめたweb サイト「仮設のトリセツ」を公開することで、東日本大震災後の仮設住宅にお住まいの方々が少しでも住みやすい環境を自ら作り出すお手伝いをしました。また、公共空間や水辺空間をより快適に利用するための提案を、社会実験(街のなかで行う期間限定の実験的な試み)を通して実際に検証するなど、より実践に近い立場で研究を進めています。