本研究室では、社会学を軸とした学際的アプローチをもとに、建築を取り巻く前提条件を問いなおしながら、建築と社会、建築と異分野、専門家と非専門家、物理空間と情報空間などの関係性について研究します。
具体的には、建築物の社会的効果の研究、建築的思考のさまざまな分野への応用、デザインリサーチの実践、出版物の編集や展示のキュレーション、建築の新たなメディア表現による伝達手法の開拓などに取り組みます。
社会の変化にともない、建築のあり方も変化します。その逆も然りです。現代社会においては、なぜその建築物が必要とされるのか、どのように設計されるべきか、その建築物が社会にどのような影響を与えるのかなどについて、多角的な視点からの検証が求められています。AI、VR・メタバースなどのメディア環境の変化によって、物理空間と情報空間を横断しながら、建築について考える必要も生じています。社会に潜在する問題を発見・分析し、建築の新たな職能やフィールドを切り拓きましょう。
建築的思考とは、ドローイング、ダイアグラム、模型、CGなど、さまざまなメディアやスケールを横断しながら、雑多な情報を新たなカタチに統合し、人びとに認識させ広めていく術です。このような建築的思考は、建築物の設計のみならず、従来は建築の対象とされてこなかったモノ・コト・システムに対しても応用できます。
建築は無関係な領域がないといってよいほど、学際性が豊かです。歴史、文化、芸術、医療、福祉、環境、経済、政治など、建築の問題や可能性はあらゆる領域に広がっています。研究室での学びは、建築業界に限らず、多種多様な業界で活かすことができるでしょう。