建築アーカイブズは、建築に関わる歴史的価値を有する資料を扱うだけでなく、実務を通じて作成される情報や記録をどのように維持し活用可能にするかも含め、総合的に考える領域です。
研究室では、建築アーカイブズの理論・手法・実践に関する研究を中心に、建築・デザイン文化と実務を支える資料・記録・情報のあり方と社会との関わりを考え、実践します。また、建築生産に直接関わる職能に加え、建築の保存修復や維持活用、建築に関わる展示、編集、出版、広報など、広く建築文化を支える様々な職能同士の資料・記録・情報を通じた協働の方法について考えます。
建築に関わる記録・情報の扱いを考える建築アーカイブズは、歴史研究のみならず、新築・改修・解体といった建築生産における実務にも必要とされる分野です。また、AIの活用が進み、更なる情報爆発が起こりつつある現代において、適切に情報を読み解き、活用できる能力が、あらゆる場面で求められています。正確性、真正性、信頼性を備えた情報を適切に残していく必要性と同時に、情報の受け手としても、その内容を適切に読み解くリテラシーが求められます。
アーカイブズを扱う能力は、今後、アーカイブズ機関や博物館・美術館などの文化機関のみならず、設計事務所や企業でも必要とされると考えられます。