研究室の学び

いきなり文章にできないことを企画するとき、人はモノやヒトの関わり合いをアイコンや矢印を使ってスケッチします。力強い絵になったらことばに移せる段階に進み概念ができあがります。難しい文章を読むとき、人はいきなり概念を手に入れることはできないので、同じ作業で概念獲得の努力をします。私の研究室では、コンピューターによってどのような支援が可能か、数学の入り組んだ証明を題材に概念の可視化という看板をかかげて取り組みます。

社会との接点

うまくいかなかったとき、人はその原因を考えます。これは普通ですね。たまたまうまくいったとき、喜んでばかりいないで、なぜうまくいったのか、それを考えるのが科学者の態度です。うまくいった理由について仮説を立て、類似する条件でうまくいくか検証する。それが実験です。使う装置が機械から概念装置に代わると人文・社会科学や数学・哲学の領域になりますが、目指すところは一緒です。さらに言うと、我々の日常生活は、職場、学校、家庭のいずれであっても、この科学的態度が不可欠です。意識せずに科学的アプローチをしているのです。ビデオゲームに熱中する子供は、ゲームの勝ちパターンを見つけるために、知らないうちに科学者の態度で臨んでいます。

日常と学問を区別するものは、難しいことばで言うとメタ認知ができているかどうかに関わります。科学的態度で興味対象に向かっている自分を客観的に眺められるかどうかです。日常と学問の世界の橋渡しをする研究所が私の研究室です。

主な研究テーマ

  • 計算量をコントロールした線形代数の問題の自動生成
  • 空間の歪みを体験する2 次元宇宙旅行
  • 三角形の内角の和が180 度にならない
  • 右側だったものがいつの間にか左側になっている
  • Simulator: 宇宙の構造が決める物理法則
  • 数学の証明の可視化
  • ダイアグラムを追跡する
© Hosei University
メニュー