天文学分野 先端観測天文学研究室

当研究室では最先端の観測機器を用いた観測天文学を展開しています。国立天文台との共同開発によるすばる望遠鏡搭載の広視野高速撮像カメラの開発とそれを用いた観測、すばる望遠鏡で撮られた天体画像解析による天文学研究を軸にして、観測天文学の体系をくまなく学ぶことができます。研究テーマとしては近傍宇宙で探る銀河形成進化・初代天体・観測的宇宙論を主としていますが、宇宙からの観測天文学など独創的なテーマにも取り組んでいきます。

天体観測というと、人里離れた山奥で星々を見続ける、というような社会と隔絶されたイメージがあるかもしれませんが、実際の天文学は古くからその時代の機械・光学・エレクトロニクス等の最新技術を観測に応用することで発展してきました。また、逆に天文学からの要請によって進歩し、他の分野で活かされた技術も多々あります。当研究室で開発を進めている広視野高速撮像カメラも検出器・データ取得系などの最新技術を取り込んでおり、この開発が社会の技術力を高めることにも役立っています。また、現代の天文学研究には大規模データの解析や統計処理といった情報処理技術が不可欠です。当研究室で扱っている天体画像解析や大規模観測データ解析を通して、現代社会を支える情報処理技術を身に付けて社会生活に生かしていくことも可能です。さらに、天文学は多くの人々の知的好奇心をかき立て、科学技術への関心を高めるのに最良のテーマの一つです。当研究室で学んだ皆さんには、先達として宇宙の姿や謎を分かりやすく紹介することや、望遠鏡を操作して天体の姿を見せることなどによって、社会全体に知識と夢と感動を還元することも期待しています。