近年,地球規模で進行している温暖化現象を抑制するため,各国で自動車や航空機等の様々な輸送機器の電動化が促進されています.電動化の中心部は,電動機(モーター)で,高効率化の要請が日毎に高まっています.本研究室では,電磁鋼鈑の磁気特性の測定,永久磁石内部の磁化分布推定,モータ構造最適化をコア技術として,カーボンニュートラル社会の実現に資する実用的な研究を実施しています.
電気自動車等で使用されている内部埋込式永久磁石同期電動機(IPMモーター)では,ステーター(静止部)に通電させた三相電流に起因する回転磁界とロータ(回転部)の永久磁石起因の磁界と反発することで,制動トルクが得られます.空気中に磁束密度を生成するよりも,鉄芯(鉄材)を利用した方が,高い磁束密度を生成でき,高トルク化が可能です.本研究室では,高い磁束密度を実現できる鉄芯材料の磁気特性を測定し(図1),ローター内部永久磁石の内部磁化分布を推定し(図2),それらをモータの自動設計(図3)へ活用しています.各研究では独自の先端的な技術を開発し,積極的に,特許出願・学会発表・学術論文執筆を行っています.また,他大学や各社と産学共同研究を推進しており,社会実装可能な研究技術を開発しています.