数理システム分野 最適化マネジメント研究室

教授 林 俊介

教授 林 俊介

Shunsuke HAYASHI

研究室の学び

「最適化は問題解決のキーワード」を合言葉に、最適化の応用と理論に関する研究を行っています。利益や効用を最大化したり、コストやリスクを最小化したりするような問題を「最適化問題」といい、その応用分野は交通・金融・経済など多岐に渡ります。当研究室では、現実の人間社会において解くべき問題をどのように最適化問題として数理モデル化するかという応用の側面を重視しつつ、求解アルゴリズムに関する理論的な研究も行っています。

社会との接点

現代社会において最適化の重要性は増す一方です。たとえば、次のような問題を考えてみましょう。『あるワイン工場ではワインX、ワインY の2 種類のワインを作っており、ワインX は1(kl)あたり160 万円で、ワインY は1(kl)あたり100 万円で売れるとします。さらに、そのワイン工場では、在庫としてブドウA を1100(kg)、ブドウB を1000(kg)保有していますが、ワインX を1(kl)作るのにブドウA が40(kg) ブドウB が20(kg)必要で、ワインY を1(kl)作るのにブドウA が10(kg)、ブドウB が20(kg)必要です。さて、ワインX とワインY を何(kl)ずつ作れば、工場の利益は最大になるでしょう?』 このように、原料や施設等の制約の下、利益を最大化したり、費用を最小化したりする問題が最適化問題です。現実問題はこれよりもずっと複雑ですが、期待利得を一定以上に保ちつつ投資リスクを最小化する「最適ポートフォリオ問題」、交通制約の下で津波被災リスクを最小化する「最適避難計画問題」などなど、世の中には最適化したい物事が溢れています。私達は現実問題をこのような最適化問題に定式化したり、それを解くための効率的なアルゴリズムを開発したりすることを目指しています。

主な研究テーマ

  • 選挙区割の画定における一票格差の最適化
  • ボトルネック渋滞を考慮に入れた交通均衡モデル
  • 集積経済による都市形成モデルの解析
  • 最適な資産運用問題のモデル化と解法
  • 情報が不確実なゲームに対するナッシュ均衡解析
  • 最適化問題に対するアルゴリズム開発