無機化学分野 無機合成化学研究室

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助教 小安 智士

助教 小安 智士

Satoshi KOYASU

研究室の学び

太陽電池や光触媒などの材料は主に高温プロセスで作製されますが、製造時に大量のエネルギーが必要となります。半導体材料を低温の溶液化学プロセスによって作製する手法を開発することによってこれらの問題を解決できると考えられます。溶液化学プロセスはナノ粒子から薄膜、バルク結晶まで様々な形状の物質の合成が可能な方法です。溶液化学プロセスによる物質の合成を通じて、物質の形態制御や低環境負荷プロセスについて学ぶことができます。

社会との接点

溶液化学プロセスは工業的にも重要な合成方法であり、現代の工業製品を製造するために必要不可欠なツールとなっております。例えばコンピューターやスマートフォンなどの電子機器の動作周波数を決定するための水晶発振子に使用される水晶は水熱合成法と呼ばれる溶液化学プロセスの一種によって製造されています。またCIGS という種類の太陽電池のn 型半導体層には硫化亜鉛や酸化亜鉛の薄膜が使用されますが、これらの薄膜はケミカルバスデポジションという溶液化学プロセスの一種によって製膜されます。その他にも光触媒である酸化チタンナノ粒子の合成や非線形光学結晶であるリン酸二水素カリウムの単結晶育成など様々な場面で溶液化学プロセスは使用されています。

溶液化学プロセスは製造に要するエネルギーが少ないだけでなく、相転移点を有するために融液法や熱分解法などの方法では作製できない結晶相の作製が可能な方法です。半導体や光学結晶として良い性質を示すものの、結晶育成が難しく実用化していない物質はたくさんあります。これらの有用な物質たちを活用するために溶液法による結晶育成や薄膜作成方法に関する研究を進めております。

主な研究テーマ

  • 溶液化学プロセスによる低コスト無機太陽電池の開発
  • 溶液化学プロセスによるバルク単結晶育成技術の開発
  • 第一原理計算による点欠陥の解析
© Hosei University
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