私たちの研究室では植物に病気を起こす菌類を研究の対象としています。菌類は、植物病原体の中で最も多くの病気を起こし、時に人間の歴史を変えるほどの被害を及ぼしてきました。植物病原菌類は、様々な環境に生育し、常に植物を狙っています。樹木や作物など多くの菌類病の診断を行ないながら、それら菌類の生き様を理解し、迅速で正確な予防や防除を行なえるよう研究に取り組んでいます。
近年、国外からの導入植物の増加や、新しい植物品種の開発、温暖化による急激な環境変化により、未知の植物病害が多数発生しています。私たちの研究室は、国内外の企業や研究所、大学からの植物病害診断依頼を積極的に受け入れることで「今」社会で問題となっている菌類病の研究を行なっています。
学生は、クライアントからの依頼内容を的確に把握して病害診断を行い、その診断結果と対処法を適切に伝えるという経験を通して学生自身の学問のみならず、今後社会人となるために必要なコミュニケーションスキルも身につけています。
また、必要に応じて、専門の異なる研究者と一緒に研究をすることもあり、そのような状況でもスムーズに連携をとることのできる能力も身につくよう指導しています。
その中で、優秀な研究成果については、学会発表や論文作成等を行い、それらデータを積極的に社会へ発信しています。そして、社会的にも認知度の高い、樹木医・技術士などの資格を取得してほしいと考えています。