健康・スポーツ科学の領域のなかでも特に運動生理・生化学を専門とし、骨格筋の肥大・萎縮・損傷について遺伝的・環境的な観点から研究を進めています。具体的にはサプリメントの摂取効果やより良いトレーニング法の開発、あるいは遺伝的背景が運動パフォーマンスに及ぼす影響について興味を持っています。特に一般学生に対しては、大学における教養教育としての身体教育のあり方についても研究しています。
専門分野である筋生理学研究は、アスリートの競技力向上や早期の競技復帰だけでなく、子どもの体力向上や高齢者のサルコペニア対策などに応用できます。例えば、実験動物モデルで検討している「筋の記憶効果」のメカニズムの解明は子どもの運動指導の根拠になります。過去の運動経験が、中断した後も残っていることは、いかに児童期(から青年期)の運動経験が重要かということと深く関連します。
ヒトを対象とした検討では、企業と共同であるサプリメントが遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)、炎症、筋疲労を軽減することを見出すことができました。このような比較的実践的な研究は広く一般の方の健康づくりに役立ててもらえると信じています。
上記に加えて市の教育委員会や総合型スポーツクラブとともに、スポーツ教室・大会を地域の方々向けに開催しています。これらの活動を通じて社会貢献していきたいと考えています。
太ももの炎症や硬さを分析するための超音波画像