物理は、生命現象や化学現象を含む、あらゆる自然現象を支配する自然科学の基礎です。その中でも特に重要な力学・電磁気学・熱力学を「物理学基礎Ⅰ」、「物理学基礎Ⅱ」で学びます。これらの科目を学ぶことで、物理学の基礎知識だけでなく、様々な自然現象を捉えるための基盤となる論理的な思考方法を身につけることを目指します。これまで物理学に馴染んでこなかった学生にも、まずは物理学の楽しさや重要性を実感してもらえるような物理教育を目指します。
物理学は、自然現象の普遍的な性質を抽出し、モデリングすることで、背後にある自然法則を明らかにします。このようなアプローチは、物理に限らず様々な問題を解決する上で重要な指針を与えてくれます。化学の専門科目を学び、研究する際にも、また大学を卒業し社会に出たのちにも、物理学の論理的思考方法は大いに活かされます。
当研究室では、ナノ材料の電子物性や光物性に関する理論的および計算機シミュレーション的研究を行っています。ナノ物質の物性現象の開拓と解明という物理学的な興味に加えて、新規エネルギー変換デバイスの理論的モデリングといった応用的興味も持っています。現在は、主に環境発電( 環境に偏在する光や熱から我々の生活に役立つ電力への変換) の物理・物質科学について研究を推進し、既存の変換効率を超えるエネルギー変換プロセスの発見やそれを実現する物質探索を行っています。物理学・物質科学の立場から人類の最重要課題の1つである持続可能かつクリーンな社会の実現に貢献することが究極の目標です。