細胞機能分野 分子細胞生物学研究室

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研究に関連するSDGsの目標

教授 廣野 雅文

教授 廣野 雅文

Masafumi HIRONO

研究室の学び

私たちの体を作る細胞にはタンパク質繊維でできた骨組みがあって、それがダイナミックに形を変えて、細胞の分裂や運動を支えています。私たちは、その骨組み形成の司令塔として働く中心体や、それを土台にして生える繊毛の形成メカニズムを、単細胞緑藻のクラミドモナスを用いて研究しています。この研究を通して、遺伝子操作、タンパク質の機能解析技術、光学顕微鏡と電子顕微鏡による観察技術などを習得し、科学的な考え方を学びます。

社会との接点

ヒトの中心体や繊毛の異常は、さまざまな症状の病気の原因となることが知られています。これらが形成されるしくみの全貌が明らかになれば、発病機序の解明、治療法の開発に有用な情報となります。

体の中には、動いて水流を起こす繊毛、動かずに細胞のアンテナとして情報を検知する繊毛などがあって多彩な働きをしています。例えば、気管からの異物の排出、脳の発達、腎臓や網膜の正常な機能などです。意外なことに、心臓が体の左側に偏って形成されるのも繊毛の働きによります。このため、繊毛の形成や動きに異常があると、これらの役割が果たせなくなって病気になるのです。また、繊毛の土台となっている中心体(その中にある中心子)の形成異常も小脳症や癌などの原因になります。

繊毛・中心子が形成されるしくみには、まだよくわかっていないことがたくさんあります。私たちが使っているクラミドモナスはヒトとほとんど同じ中心子・繊毛をもち、突然変異体が比較的に容易に得られます。中心子・繊毛に異常のある多数の変異体を調べ、その形成・運動に働く分子機構について、ヒトを含めた多くの生物に共通する原理を解明しようとしています。

主な研究テーマ

  • 中心子構造に異常をもつクラミドモナス突然変異体の遺伝子同定と原因遺伝子産物(タンパク質)の機能解析
  • クラミドモナス突然変異体の繊毛運動解析
  • 運動性異常突然変異体の遺伝子同定と繊毛構造の電子顕微鏡観察
  • 繊毛タンパク質の機能解析
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