昔文化人類学は未開民族の民族史から始まりました。現代の社会は研究対象になりました。その中で応用人類学は、文化人類学の理論、知識、方法論を使用して、実際に起こっている様々な社会問題を分析し、その問題を解決していく領域です。私の研究室では、実践的な解決に向けて、身近で様々な社会問題を研究題材として取り上げます。問題提起から始まり、フィールドデータ(インタビュー、サーベイ、観察)を集め、分析をし、解決方法を提案します。
現在、文化人類学は環境、公衆衛生、医療問題、国際開発、教育等の分野において広く使われています。これらの分野において、質的および量的手法が実証をベースにした政策構築、決定に役だっています。この政策構築は組織の機能を評価するにあたり自然科学、社会科学を利用しています。
また、商品開発、ビジネスおよびマーケティングにも活用されています。商品開発の問題を挙げるなら、PCまたは他の電子機器等をどのように活用すれば、高齢者の人たちの生活をより豊かにできるかなどが挙げられます。日本は急速に高齢者社会になっており、このようなテーマへの取り組みは社会全体としても急務です。