計算言語処理研究室では、記号の書き換えを基礎に、「人間と計算機の間の言葉である人工言語」を体系的に研究しています。C 言語やJava 言語などの理論的側面を研究していると言うこともできます。この研究をさらに発展させて、(1) 人間社会で言えば「なまけものの性能が上がる」研究、(2) 地震などの現象の特性、(3) 生命の進化の速度などの研究も行っています。
パソコン、スマートフォンなどは、現代社会で不可欠な道具になっており、この道具を使うための人工言語の基礎研究を行っています。パソコン、スマートフォンが「サクサク」と気持ちよく使える理由は、人工言語の研究の成果です。人は自分の意思に従って次に何をするかを決めています。一人ならばよいのですが、複数の人が互いに影響する状況にあると、協力して大きな事をしたり、またはケンカなどにより自分の意思通りに行動できない状況が生じます。自分の意志に従って行動する人や物などは自律エージェントと呼ばれます。各自律エージェントが他の自律エージェントと互いに影響しあう状況にあるときには、奇妙な状況が生じます。この分野の研究者の一人に、「more isdiff erent」の言葉で有名なノーベル賞を受賞したアンダーソンがいます。適度な情報をみんなが共有すると安定する(争いが少ない)ことが知られています。
この研究室では、適度な努力で自分なりの目標に向かって行動をするとより安定し、努力し過ぎても安定しないことを発見し、各人の適度で勝手な努力が全体の性能を上げることができ、3つのエージェントのときに、10 パーセント程度、性能が上がることを示しました。