研究室の学び

現代理工学において、コンピュータを駆使して自然現象や工学上の問題を解決する技術は非常に重要です。また現代の情報化社会において、コンピュータとそのネットワークは重要なインフラとなっています。私の研究室では、上記の世の中の諸問題の数理モデルを捉えることで、コンピュータの計算機としての側面に着目することで数理モデルを解く道具箱と解釈し、道具箱の基盤となる計算技術の開発を行っています。

社会との接点

当研究室で行っている数値計算の研究は、実はコンピュータの誕生とはある意味独立に、古くは19世紀の数学者の手によって押し進められてきました。ガウス、オイラー、ニュートンなど数学や物理の教科書で登場する学者の名前の付く数値計算法は今でも世の中で活躍しています。19世紀の数学者が夢見たであろう数学に基づく視覚に訴える形態のシミュレーションは、コンピュータの誕生とその発展により実現され、数値計算は数学の応用技術として脚光を浴びるようになりました。現在のスーパーコンピュータを用いることでかなり複雑な自然現象の数値シミュレーションなどが可能になりましたし、また家庭にあるようなパソコンでも、実は高度なシミュレーションが可能であり、その意味でも社会的に数値計算は浸透しています。さらに、近年、数値計算の応用として検索エンジンやレコメンダシステムのように、現代の情報化社会においてデータを扱う重要な技術が生み出されており、人工知能AI の基盤としても必須の技術となっています。これにより数値計算の研究はまた新たな時代を迎えつつあります。どんな時代にも数理モデルは普遍的に存在し、数値による表現と計算による理解は常に重要視されるものなのです。

主な研究テーマ

  • 大規模行列分解の数値計算アルゴリズムに関する研究
  • 数値シミュレーションの並列プログラミングに関する研究
  • 成長するネットワークにおけるオンライン補完の研究
  • 財務データを用いた格付け推定のスパースモデル
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