モノ造りに関わる材料と言えば、量的には鉄鋼が王様ですが、自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの乗り物では、常に鉄に代わる軽量高強度の合金が志向され、開発研究が行われてきました。
次世代の軽量かつ高剛性、高比強度素材の材料特性、機能性、コスト、ミクロな材料科学、および材料力学や塑性力学に基づく加工プロセスの実験的、解析的考察を可能にする専門分野の基礎、応用分野を文献輪読、勉強会によって学びます。
自動車、航空機、新幹線、地下鉄、船舶などの乗り物の構造体は、いずれも軽く強いことが望まれています。
最近は、特に環境問題への意識の高まりから、さらなる軽量化がこれらの構造体の設計製作上期待されています。しかしながら、非鉄系で比強度の高い軽量金属は、一般的に成形加工性が鉄鋼材料に比べて劣り、この点の克服が研究者に強く求められているのが現状です。Al、Mg、Ti などの合金やそれらの複合材料から、効率よく廉価でかつ素材の特性をうまく利用した成形加工技術を研究開発し、実際に応用展開していくことが本研究室の主要な取り組みです。このような技術開発は医療・福祉工学、ナノテクノロジへの展開も期待できます。金属素材に対して、古来より使用されてきた木材や竹などの天然資源を現代の産業に新しいコンセプトで取り入れるための加工技術開発も行っています。加工の際に高い付加価値を付与し環境にも人間にも優しい製品造りを志しています。
さらに、3D プリンターによる樹脂製品の設計製作プロセスやスペースエレベータ建造に関する技術課題の克服など、機械工学が織りなす明るい未来を考えています。