無機化学分野 無機合成化学研究室

教授 石垣 隆正

教授 石垣 隆正

Takamasa ISHIGAKI

研究室の学び

私の研究室では、環境・エネルギーに関連するセラミックス(無機固体材料)微粒子の合成と応用を研究テーマとして取り上げています。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウムなどのセラミックス微粒子を水溶液中で合成し、光触媒活性、発光特性、電気・磁気特性を向上させるための実験を行っています。環境に優しい方法で高機能セラミックス材料を合成して、持続可能な環境と社会を生み出すのに貢献する人材を社会に輩出しています。

社会との接点

当研究室で行っているセラミックス微粒子の研究は、皆さんの身近に存在する様々な電子デバイス、光デバイスの高性能化、小型化に大変役立っています。

代表例は、スマートフォンに使われている積層セラミックスコンデンサという部品です。この部品は、一台のスマホに400 ~ 500 個使用されています。携帯電話がショルダーバッグ程度の大きさから、手のひらサイズになり、さまざまな機能を有するスマホになるには、使用されている電子部品の小型化が大きな役割を果たしました。当研究室では、現在使用されている原料粉末の大きさ、サブミクロンサイズ(1mm の数千分の1程度の大きさ)を一桁以上小さくして、粒径10 ナノメートル(ナノメートルは10 -9m)以下の微粒子に置き換える研究を進めています。ナノメートルサイズの微粒子を利用することにより、電子部品はさらなる小型化、高機能化が期待されます。

セラミックス微粒子の身近な使用例をもう一つあげると、化粧品への応用があります。当研究室では、ファンデーションやサンスクリーンに使用できる、形態、大きさをコントロールしたセラミックス微粒子合成にも取り組んでいます。

主な研究テーマ

  • 液相レーザーアブレーション法による酸化イットリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム微粒子の合成
  • ゾル-ゲル法、水熱法、メカノケミカル法による酸化チタン光触媒の合成
  • 酸化亜鉛微粒子の自己組織化集合体の高機能化
  • 酸化物微粒子の調湿・保湿・赤外吸収材料への応用
  • 形態・結晶相制御した炭酸カルシウム微粒子の高機能化
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