研究室の学び

私の研究室では、細胞運動に関わる生物分子モーターの研究をおこなっています。分子モーターの大きさはナノメートル程度と非常に小さいため、研究室で開発した顕微鏡を利用して、分子1 個の動きを観察しています。また、遺伝子工学技術を利用したモーター機能の解析も進めています。バイオ技術とナノ計測技術を融合した境界領域で研究・教育を進めており、幅広い分野で活躍できる人材の輩出を目指しています。

社会との接点

当研究室で研究対象にしているバクテリアのべん毛モーターは、直径がわずか数10 ナノメートル(1ナノメートルは10 億分の1メートル)のタンパク質分子でできた生物分子モーターです。このモーターは、毎分約2 万回転とF1 エンジンにも匹敵する高速駆動をしながら、瞬時に回転方向を切り替えることができます。また、そのエネルギー変換効率は100%に近いと言われています。このような高い性能をもつモーターは、現在の私たち技術では作り出すことはできません。このモーターの回転する仕組みがわかれば、人類が将来ナノマシンを設計する上で重要な情報を与えてくれるのではないかと期待できます。

私たちは、研究室で新しい顕微鏡を開発してモーターの機能を解析し、実験で得られた定量的なデータに基づいて考察しながら研究を進めます。この研究の過程で身につけることができる論理的な思考は、社会のあらゆる場面で必要になると考えています。

研究室で開発している顕微鏡

主な研究テーマ

  • 蛍光タンパク質を使ったモーター構成素子の可視化
  • 高速度カメラによるモーター回転計測法の開発
  • 遺伝子組換え技術を駆使したモーター変異体の解析
  • 溶液交換システムの構築と大腸菌走化性応答の解析
© Hosei University
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